小さい頃は学校が終われば用水路で釣りやら、やぶに入って花や虫探し。そして暮れゆく日を惜しむように友と他愛のない話をしたのではなかったか
▼経済的困難や不登校、ヤングケアラーなどさまざまな事情のある子を支援するグットトライ(嘉手納町)の事業は、町などと連携し昨年9月から7人の児童生徒と向き合ってきた(本紙20日付生活面)。名城健二沖縄大教授がアドバイザーを務める
▼週1回の「食べる」「遊ぶ」で居場所や仲間への安心を感じ、一人一人に特化した個別計画も作成。行政の手が届きづらい子らへ伴走型の「狭くて深い支援」は続く
▼「なんてことない話をするのが楽しいんだよね」と暮れゆく公園での雑談の喜びが記事にはつづられる。こんな毎日を自らの人生に少しずつなじませていく繰り返しも大事なのだろう
▼衣食住の安心とともに、生涯にわたって心にあかりをともすような何気ない言葉や風景に若い人たちが一つでも多く出合えるように。子の「生きる」を、その未来をひらく力を私たちは見守り支えよう。