<金口木舌>伝統を担う若い力


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 那覇ハーリーが4年ぶりに開催された。子どもから大人まで幅広い世代が参加して、全力で爬龍船(はりゅうせん)をこいだ。コロナ禍で中止となったさみしさを吹き飛ばすような、活気あるかけ声が響いた

▼伝統の本バーリーでは泊が8年ぶりに優勝した。メンバーの安次富長衛さんは那覇中学3年生で、泊地域のこぎ手としては歴代最年少だ。琉球王国時代から続く伝統行事が、次の世代に受け継がれる
▼沖縄の伝統工芸品の継承を目指し、琉球大学の学生3人が紅型のお守りの商品化に取り組む。若者が工芸品を身近に感じ、親しんでもらうことを目指す。学生ならではのアイデアで魅力を広めてほしい
▼歌や踊り、地域の祭りに至るまで、未来に残したい沖縄の伝統は数多い。若い世代が魅力や可能性に着目し、継承の担い手になることは心強い。新たな風を吹き込むことで大きく発展することもある
▼先人からつながる伝統は沖縄の宝物だ。私たちも素晴らしさを再認識したい。子や孫、その先の世代に伝えることの大切さを、若者の姿が気づかせてくれた。