<金口木舌>イメージ固定せず、外交主体として


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 日本語で使われる漢字は優れた表意文字だ。文字数の制限と闘う新聞記者にはありがたい。ただ、イメージが固定される側面は否めない

▼例えば「姉妹都市」。どちらが姉で妹か気になる。元となった「Sister City」には上下の概念はないようだ。「友好都市」などの名前を選ぶ自治体も多い。沖縄県は米国・ハワイ州などとは姉妹都市、中国・福建省とは友好都市として提携している
▼「外交」も、イメージが固定されている言葉かもしれない。辞書では外国や外部との交際、交渉とされるが、その主語には無意識に「国」を当ててはいないか。「外交と防衛は国の専管事項」というように
▼沖縄県は地域同士の対話で相互理解や緊張緩和、経済交流の活発化などを図るため地域外交に乗り出した。韓国・済州のフォーラムに参加し、中国や台湾への訪問も予定している
▼政府の外交が必ずしも沖縄の利益にならないことは、米軍基地を巡る交渉を見れば明らかだ。固定観念にとらわれず、外交の主体として県民の幸福に知恵を絞ってほしい。