<金口木舌>バスケW杯の余韻に浸る


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 世界最高峰の選手が熱戦を繰り広げたFIBAバスケットボールW杯。3日の最終戦後、沖縄アリーナの大型モニターに映し出されたのは「ありがとう」の5文字

▼五輪出場を決めた日本代表選手、その背を押した地鳴りのような声援。何よりも、大会を支えた県内外のボランティアにこそ向けられる言葉だろう
▼大会を機に、沖縄バスケにも注目が集まった。大ヒット映画「スラムダンク」は1978年の山形総体で全国3位となった辺土名高から着想を得たと原作者が明かし、話題となった
▼「リングとボールがあればできる。昔は各集落にリングがあった」と語るのは同高裏にある安里商店の店主・安里秀子さん。コーチとして辺土名高バスケ部を指導した安里幸男さんは弟だ。貧しい時代、道具にお金がかかる野球よりバスケの人気が高かった
▼日本バスケ史に刻まれたW杯沖縄開催。期間中は多くの小中学生が会場で熱戦を体感した。世界の選手を県出身選手がドリブルで鮮やかに抜き去る。そんな未来を想像し、大会の余韻に浸っている。