また起きてしまった。米テキサス州の高校での銃乱射事件。生徒ら10人が亡くなり1週間がたつ
▼容疑者は17歳の男子生徒。銃は父親の物だった。テキサスは米国でも銃規制の緩い州の一つ。銃所持の権利拡大を提唱する州副知事は「銃の問題ではない」と主張し、暴力的なゲームや妊娠中絶による命の軽視、家庭環境が問題だと続けた
▼米紙ワシントンポストは今年、戦闘地域で死亡した米軍人は13人、学校での銃乱射事件で死亡した生徒らは27人と伝えた。今、学校は戦地より「危険」なのか。米国内は銃乱射に備えた避難訓練を行う学校も多い
▼新年度、普天間第二小で既に146回の避難が行われた。米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認されると運動場から児童が避難する。元気な声が響き渡るはずの場所でごう音が響く
▼同校の避難を伝える記事に、ネット上で「辺野古に移せばいい」「基地の近くに学校を造る方がおかしい」という声が飛び交う。「飛ばないで」という一言がなぜ出ないのだろう
▼銃規制強化を求め、米国の高校生が立ち上がった活動は「March For Our Lives(命のための行進)」。「大人たちが『銃を持つ権利がある』という言葉は『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』と聞こえる」というフロリダの高校生、エマ・ゴンザレスさんの言葉をかみしめる。