<金口木舌>敬いの心

 野球のU18ワールドカップ(W杯)での一コマがSNSで称賛されている。興南の宮城大弥投手が死球で出した韓国選手に帽子を取ってわび、塁上の走者も頭を下げた。注目されるのは悪化する日韓関係もあるだろう

▼南アフリカ生まれのフルバック、関西弁を駆使するニュージーランド出身のロック。開幕が10日後に迫ったラグビーW杯の日本代表メンバーだ。31人中、過去最多の15人が外国出身となった
▼五輪の国籍主義とは違う。3年間居住するなどすればその地域で代表に入れる。プレーする地域や国と選手とのつながりも重視するラグビーの特徴だろう。他国でも珍しくない
▼一度、代表になると他ではなれない。選手の覚悟も相当だ。初選出のプロップ、具智元は韓国出身。父はアジア最強のプロップと言われた元韓国代表だが、14歳から過ごす日本で代表入りを選んだ。W杯未出場の韓国からの期待も背負う
▼チームスローガンは「ワンチーム」。司令塔の田村優は母親が那覇市出身だ。さまざまなルーツを持つ選手たちが日本代表として互いを敬い、一丸となる。チームメートへの尊敬はもちろん、ラグビーではどんなに激しい試合でも終われば必ず互いをたたえ合う
▼宮城投手と韓国選手のやりとりも対戦相手への当然の敬意の表れだったのだろう。国際関係でも忘れたくないリスペクトの精神である。









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