<南風>番組制作と趣味


社会
<南風>番組制作と趣味 小橋川響、ラジオ沖縄アナウンサー
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 ラジオで日々放送している番組はさまざまだ。エンタメ、教養、報道などのジャンルのほか、どの年齢層に向けた放送なのかなど多種多様である。そして番組制作がアナウンサーに任されることもある。

 私が初めて制作を担当したのは入社して半年ほどたったころだった。制作部の部長から10分の音楽番組を作ってみなさいと言われた。いわゆる皿回し番組といわれる曲紹介をメインにした番組だ。番組制作に慣れるという意味合いが強かったため、10分という短時間番組なのだが、制作は難航した。

 番組タイトル、オープニングとエンディングに使うBGMの選曲、紹介する曲選びなどを決めることが多く、初めてのことに戸惑ってばかりだった。結局見かねた制作部長にいろいろと手伝っていただいて何とか形にすることができた。

 そしてそんな番組制作だが、制作側の趣味が大いに反映されたものもある。私が担当し毎週土曜日午後9時から放送している「アニメ魂のラジオ アニ魂」もそんな番組の一つだ。マンガやアニメ、ゲームなどのサブカルチャーに関する情報を紹介している。

 私が子どもの頃はマンガやアニメ、ゲームに対して好意的な大人は少なく、大っぴらに好きだと言うのがはばかられる世の中だった。

 だが今は違う。マンガやアニメは日本が誇る文化で世界的な評価は高い。ゲームも国産ハードが世界中で親しまれ、日本発の名作タイトルがいくつも生まれた。アニメ主題歌が音楽チャートにランクインするのは当たり前で、30年前とは様相が一変した。

 大人になった今、番組制作に携わる立場でそんなサブカルチャーの情報を発信している。ぜひ一度聴いてみてほしい。ニュースを読んでいる時の私しか知らない方は番組での私のテンションの高さに驚くだろう。

(小橋川響、ラジオ沖縄アナウンサー)