<南風>食の大切さ


社会
<南風>食の大切さ
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 私の原稿は今回で最後となった。これまでのお話をまとめたい。
 人は生きていくためには食べる必要があり、「営養」を補充してきた。食べることで、だんだん知恵が付いて、体も丈夫になり、感情も豊かになってきた。人は単に食べて「営養」を補充するのではなく、食べることを生きる目標にしている。
 明治時代に「営養」から「栄養」という漢字に変わり、現在は「栄養」と言う。また食べて身になるには、食べる環境がとても重要であり、さらにその料理ができるまでの工程も大切である。


 人は食べるために生きている。生きるために食べている。


 これまで先人が残した食文化には大きな意味があり、その土地の気候風土に合った生活をすることが一番の健康につながる。


 その理想的な食生活や生活のリズムは、やはり幼い頃に身に付いていく。将来、いい大学に入ってほしい、将来、プロのスポーツ選手になってほしい、などと子どもに願う親も多くいる。そこで忘れてはいけない食の大切さだ。大人になり理想的なリズムに変えようとしても、なかなか難しいところがある。


 食の正しい知識を身に付けて、今後の沖縄県民の健康を回復させて、かつての健康長寿を取り戻し、世界一の長寿の島を復活させることは、沖縄の経済の発展にもつながると考える。


 私は人が好きだ。何事も1人では成長はできない。私はこれまでに、たくさんの方々から指導を受け、支えられてきた。そのおかげで今の私があると思っている。


 人によって経験の積み重ねる方法はさまざまだろう。だけれども、食べるという行為は、人類皆、共通である。私は人のために食を通して恩返しをしていきたい。

(宮國由紀江、国際中医師)