<南風>こどもまんなか社会


社会
<南風>こどもまんなか社会 宮城雅也、県小児保健協会会長
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 沖縄県の小児保健医療に携わる方々が子どもの健康と幸せを守るために、日夜努力を重ねていることを一部でも紹介ができてうれしく思う。これまで取り上げた活動(周産期ネットワーク、乳幼児健診、親子健康手帳、子ども病院設立、がじゅまるの家、てぃんさぐの会など)では、立場は違うが思い入れのある人々が、自然と協力して、ワンチームで成果を挙げた。

 沖縄方言では「我(わ)んチーム」は私のチームであり、自分のチームとして思い入れの気持ちが必然である。今度のラグビーワールドカップは、ワンチームから「アワチーム(私たちのチーム)」のスローガンとなったが、少し力強さが足りなかったか?

 指揮者のいないオーケストラ「オルフェウス室内管弦楽団」は2度のグラミー賞を受賞している。団員がお互いに相手を理解しており、場面場面でリードする方が自然と決まって息の合ったすてきな音楽を奏でる。強いリーダーではなく、お互いを理解し、必要なところで譲り合うチームワークが大切だ。強いリーダーの国が、紛争を起こしているのを見ると、本当に強い国とはと考えてしまう。

 社会環境が複雑化し少子化対策として次世代育成支援対策推進法、成育基本法など優れた法律は施行されたが、縦割りの行政でズタズタにされ、チームワークはない。今度こども家庭庁が設置され省庁を超えた総合調整権が与えられたことに期待したい。沖縄県も部局を分断しない政策で、子ども病院を設立したように県民と行政が一丸となり、「こどもまんなか社会」を実現してほしい。

 県民一人一人が、強いチームワーク「我(わ)んチーム」で、誰一人取り残さない多様性を尊重した楽しい子育て環境を実現し、出生率低下を改善し、持続可能で発展する、子どもが輝く未来へつなげてほしい。

(宮城雅也、県小児保健協会会長)