サッカーの明治安田J3第36節第2日は10日、各地で行われ、FC琉球OKINAWAは沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで1位の大宮アルディージャと対戦し、1―1で引き分けた。通算成績は12勝13敗11分けで勝ち点47。順位は13位。前半は琉球が押し気味に試合を進め、積極的に多くのシュートを放ち、ゴールへと迫ったが0―0で折り返した。後半は30分、高安孝幸からの左クロスを平松昇が流し込んで先制した。しかし、終了間際にシュートを決められて同点に追い付かれた。大宮は、J2ベガルタ仙台から8月に期限付きで移籍してきた元琉球の知念哲矢(石田中―長崎総合科学大付高―近畿大出)がDFで先発出場した。大宮のヘッドコーチは元琉球監督の喜名哲裕氏。次戦は16日、長野県のサンプロアルウィンで松本山雅(長野)と対戦する。
平松、今季初得点で鼓舞
平松昇が今季初得点でチームを鼓舞するも、終了間際の失点で引き分けた。「シュート数も多く、ショートカウンターも良かった。(プレーオフ進出が)厳しいのは変わりない。勝ち切れない結果が続いていて、もっと突き詰める必要がある」と反省も込めて、ベクトル(方向)を自身のプレーへ向けた。
前半はいつもとは違う気迫が伝わるゲーム内容だった。岡澤昂星、武沢一翔、上原牧人ら各選手のシュートの積極性がきらりと光った。特に増谷幸祐は、GKに防がれたものの、枠内へ威力あるロングシュートを放ち、観客を沸かせた。
悔やまれる失点は、ゴール前でフリーの選手にコースも空いている状態で打たれた。守備の緩さを仕留められた形となり、2試合を残し、より厳しい状況へと追い込まれた。
それでも岡澤は「まだ望みはある。厳しいことは分かっているが、僕たちの代わりに誰かが試合に出られるわけじゃない」ときっぱり。「あきらめない姿勢を見せることが、プロ選手として一番大事な部分」とし、最後までピッチで走る続けることを誓った。
(大城三太)
(2)タピスタ(大宮1勝1分け)
琉球 12勝11分け13敗(47)
1―1(0―0,1―1)
大宮 25勝9分け2敗(84)
▽得点者 【琉】 平松(1)【宮】 大沢(2)
▽観客 2744人
【評】琉球は前半、ペースを握ってシュートチャンも多かったが、GKの堅守に阻まれ、無得点に終わった。後半は押される展開だったが、リズムを変えるために投入された高安孝幸のクロスから得点機を見いだした。そのままに逃げ切りたかったが、最後に守備の隙を突かれた。
力出し切ってくれた
金鍾成監督(琉球)の話 勝ち切れれば良かったが、引き分けに持っていかれるいつものパターンと比べると、力を出し切ってくれた。プレーオフに向けて厳しい状況だが、それを含めて応援している人たちのために残り2試合、いいサッカーをしたい。富所悠は体調不良だった。
前半良くなかった
長澤徹監督(大宮)の話 前半はチームとしていいプレーができなかった。個人で得点を狙い、単体で突破するのもいいが、そこで誰かが選択肢をつくる動きをするのが我々のサッカー。後半は交代選手らがしっかり仕事をして改善した。勝利への貪欲さはこちらも譲らなかった。