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父亡くし苦労、医師の経験も 台湾総統選 当選の頼清徳氏


父亡くし苦労、医師の経験も 台湾総統選 当選の頼清徳氏 頼清徳氏
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 立法委員(国会議員)、台南市長、行政院長(首相)、副総統…。民主進歩党(民進党)最大派閥の出身で、早くから民進党を率いる「ホープ」と目されてきた。華麗な経歴を持つが、子どものころは苦労も多かった。炭鉱労働者の父を亡くし、6人きょうだいの母子家庭で育った。「草の根」の声を大切にするのが信条だ。

 内科医として働いていた南部・台南市で民進党候補の選挙支援に関わったことをきっかけに政界へ。2010~17年、台南市長を務めた。意志が固く、市議会議長に選挙違反疑惑が浮上した際、違反に抗議し200日以上にわたり市議会への出席を拒否したことも。16年2月の地震で同市が被災した際は数日間にわたり不眠不休で救助活動の陣頭指揮を執った。

 17年、行政院長に就任した直後に「実務的な台独(台湾独立)工作者」と自称。「台湾」への思い入れは強い。中台関係の現状維持を求める米国の立場にも配慮し、近年は独立志向色の濃い発言を控えている。

 一貫して対日関係を重視し、22年7月には安倍晋三元首相の葬儀に参列。好物は甘いミルクティーで、大の野球ファンでもある。

(台北共同=渡辺靖仁)