美しい海が広がる恩納村瀬良垣区は沖縄方言で「シラカチ」と呼び、大量に取れたシイラを家に干したことが由来とされる。現在でも数人が漁業に従事するほか、近年はダイビングなどマリンレジャー業も盛んだ。
毎月旧暦1日と15日の御願を欠かさず、区では御願や伝統芸能を重んじている。中でも盛り上がるのが、アップテンポで動きが激しいというエイサーと旧暦8月15日の豊年祭だ。豊年祭は二才頭(にーせーがしら)を中心とする、区出身の若者らでつくる「二才団(にーせーだん)」が運営し、「長者の大主」など伝統芸能の披露などを通じて五穀豊穣(ほうじょう)を祈る。
1975年の沖縄国際海洋博覧会前後から区内にも大型リゾートホテルが進出。村の観光産業の一端を担い、区の人口も増加した。地域行事にはホテルの従業員らも協力するといい、當山富行区長(57)は「区民はとても協力的。防災意識も高い」と胸を張る。
當山富行区長から一言 受け継がれてきた古い伝統を大事にしつつ、若年層の新しい考えなども取り入れ、区民みんなが楽しめる地域にしたい。
瀬良垣区メモ 2024年9月末現在、336世帯593人が住む。農業では観葉植物や、品評会で高い評価を得ているマンゴーの栽培が中心だ。
(武井悠)