秋の古城を幽玄に包む 世界遺産・中城城跡で能楽上演


秋の古城を幽玄に包む 世界遺産・中城城跡で能楽上演 世界遺産中城城跡の特設舞台で披露された能「大江山」=1日、中城村(大城直也撮影)
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 【中城】日本の伝統芸能である能楽を広く知ってもらおうと企画された、楽しむ能「楽」プロジェクトの特別公演(能楽協会主催)が1日、中城村の世界遺産中城城跡であった。人間国宝の大倉源次郎さん(小鼓)ら大御所が出演し、ライトアップされた世界遺産中城城跡を背景に、豪華な舞台を演じた。

 この日の演目は「大江山」。京都の大江山へ鬼の酒呑童子(しゅてんどうじ)を退治に行く源頼光を描いた作品。主役級が「能面」を着けて演じるのが特徴の能だが、舞台上では迫力ある面を着けた鬼に、頼光が対抗する壮大な戦いの舞に、客席は固唾を飲んだ。秋の夜空に響く笛、太鼓、独特のはやしが古城を彩った。

 酒呑童子役を務めた重要無形文化財保持者の観世喜正さんは「能は沖縄の組踊にも影響を与えた。能楽と琉球芸能のつながりも感じてほしい」と解説した。(島袋良太)