27日に那覇市の琉球新報ホールで開かれた「第20回宮良長包音楽賞贈呈式」に、音楽賞の喜納昌吉さん(75)と特別賞の夏川りみさん(50)を祝福しようと、多くの音楽関係者らが駆けつけた。受賞記念演奏で2人は三線を手に代表曲などを演奏して、会場は手拍子や指笛が沸き上がった。
受賞者あいさつで喜納さんは「沖縄の財産である伝統芸能の中には、沖縄の精神や光が入っている。それをどのように発信するかをテーマにしてきた」と振り返った。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルによるガザでの戦闘にも触れ「沖縄の最大の宝は平和の心だ」と語り、平和の心を音楽に乗せて発信する決意を示した。
夏川さんは今年5月に歌手デビュー25周年を迎える。「歌で沖縄の素晴らしさを伝えていく。それが私のできることだと思う。大好きな歌を聴いてくださる皆さんが元気に、幸せになれる歌をこれからも届けていきたい」と抱負を語った。
夏川さんは「涙そうそう」と宮良長包の代表作「安里屋ユンタ」を透き通る声で歌った。喜納さんは「東崎(あがりざち)」と「花~すべての人の心に花を」を力強く歌った。急きょアンコールに応えた喜納さんは「ハイサイおじさん」を披露し、来場者はカチャーシーを踊って盛り上がった。
(田中芳)