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【動画あり】ラッパー時代に気づいた共通点 宮古民謡・松原忠之がアルバム 師匠への思いや下地イサムと共演も 沖縄


【動画あり】ラッパー時代に気づいた共通点 宮古民謡・松原忠之がアルバム 師匠への思いや下地イサムと共演も 沖縄 多くの人に宮古民謡を知って欲しいと語る松原忠之=5月16日、那覇市の琉球新報社(喜瀨守昭撮影)
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 宮古民謡歌手、松原忠之のセカンドアルバム「美(かー)ぎ宮古ぬあやぐ~青い海ぬ如ん、太陽(てぃだ)ぬ如ん~」(リスペクトレコード)が5月29日、発売された。師匠である国吉源次への思いをつづった初のオリジナル曲や、宮古島出身のシンガー・ソングライター下地イサムとの共演など、全15曲を収録。音楽性の幅が広がる作品になった。

松原忠之セカンドアルバム「美ぎ宮古ぬあやぐ~青い海ぬ如ん、太陽ぬ如ん~」

 祖父母や母が宮古島出身と、宮古島ルーツの家系に育った松原。小学3年で国吉から三線を習い始め、中学生では部活と両立しながら通い、高校生の時には父のとび職の仕事を手伝いながら通った。その後ヒップホップに傾倒し、ラッパーとしても活動していたが、あることに気づく。「ヒップホップも民謡も生活から生まれる」。27歳の頃、後継者が少ない宮古民謡を歌い継ごうと決心した。

 アルバムは、師匠である国吉への思いを歌った「我(ば)が先生(しんしー)」から始まる。国吉は沖縄本島で宮古民謡を広めた第一人者だ。「先生は『歌には終わりがない』と言っていた。宮古の海みたいにきれいな宮古の歌に、太陽みたいな先生の歌声を乗せたら最高だと歌った」と語る。

 下地イサムとは「家庭和合(きないわごう)」「ばんがむり」で共演。松原の歌三線の間をつむぐような下地のギターがより情緒的に聞かせる。子守歌の「ばんがむり」は、アルバムの最後に無伴奏(アカペラ)でも収録した。宮古民謡はアカペラで伝承されてきた。これまで苦戦した楽曲だというが、今回はまるでそばで歌っているような優しい歌声が印象的だ。

 松原は「宮古の歌を聞いたことがない人にも、メロディーから入って聞いてもらえると思う」と呼びかけた。CDは3300円。

 下地とはコラボライブも予定している。7月21日午後6時から那覇市のライブハウスOut putで開催、前売り3300円(当日500円増し、ワンドリンク別)。問い合わせは電話098(943)7031。7月27日午後7時からは東京の南青山MANDALAで開催、前売り4千円(当日500円増し、ワンドリンク別)。問い合わせは電話03(5474)0411。 

(田吹遥子)