沖縄セルラー電話(那覇市)とKDDI(東京都)は7日、スマートフォンの生き物コレクションアプリを開発した「バイオーム」(京都府)と合同で、8月から県内でも利用できるようになった衛星通信「Starlink(スターリンク)」を利用した外来種調査を開始した。調査は、竹富町西表島の電波不感地域で、スターリンクを利用した生態調査は国内初。8日まで実施する。「おきなわ自然保護プロジェクト」の一環。
独特で豊かな生物多様性が認められて世界自然遺産にも登録された沖縄の自然を守ることが目的。
調査は、西表島の浦内川下流から8キロ上流のモバイル通信が不安定な場所に、KDDIの社員らがスターリンク専用のアンテナを設置。アプリ「Biome」で、現地の動植物や外来種の生息データの収集などを実施した。
バイオームの多賀洋輝COOは「調査の多くが森林など、電波がつながりにくい場所なので、スターリンクを利用すれば効率良くアプリ調査が可能となる」と話した。
沖縄セルラーの菅隆志社長は「西表島など、生物多様性の宝庫である沖縄の自然を守るために、スターリンクを活用できることは大変意義深い。台風などの災害時のインフラや遭難者との連絡など緊急性にも役立つ」と強調した。
6日は、3社が西表島東部にある大原小学校(石垣永一校長)を訪れ、児童らにスターリンクとバイオームについて説明する特別授業を実施したほか、アプリを使った生き物調査体験もあった。
(金城実倫)