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県産EV 島を駆けろ 1人乗り電動ミニカーの開発が進行中 再エネを活用、離島の“足”へ イメイド(うるま市)


県産EV 島を駆けろ 1人乗り電動ミニカーの開発が進行中 再エネを活用、離島の“足”へ イメイド(うるま市) イメイドが開発した10人乗りの電気自動車「CV10」=うるま市の同社
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 移動手段(モビリティ)開発や電気自動車(EV)販売のイメイド(うるま市)が、自前の技術によるモーターやバッテリーの制御システムを組み込んだ県産EVの開発に取り組んでいる。昨年「沖縄の産業まつり」で披露した10人乗り電動カート「CV10」に加え、現在は1人乗りのミニカー「CV1」を開発中だ。観光施設のほか移動手段が限られる離島での利用を念頭に、再生可能エネルギーを組み合わせたサービス展開を見据える。

 イメイドは、ものづくりネットワーク沖縄の電気自動車開発部門が独立して2017年に設立された。これまで県内のリゾートホテルや自治体などに電動カート約70台の納入実績がある。

 これらは本土大手メーカーとの協業や共同開発がほとんどで、イメイドが手掛けるのは車両の組み立てや電装などが多かった。だが実績を積む中で、モーター製造やバッテリーの制御システムといったコアな部分でも独自の技術を確立

 「メイドイン沖縄」の技術を生かしたEV車の開発に取り組むようになった。

 開発中のCV1は原付き4輪で公道仕様にする計画。ミニカーのため原付きと同様車検が不要で、「離島の足にも一番いい」(伊口明高社長)という。ただ、自前の技術を使って製造し、より安価で提供するためには量産体制の確保が前提になる。

開発中の1人乗りミニカー「CV1」のイメージ(提供)

 過去にEVカートの実証実験をしたうるま市津堅島にはガソリンスタンドがなく、島民は本島から携行缶に入れたガソリンを持ち帰り生活している。イメイドはこうした離島でEV車を走らせ、太陽光や風力発電と蓄電池を組み合わせ、災害時も含めた課題解決につなげる道筋を描く。

 伊口社長は、各地で再エネやモビリティを使った実証実験が行われているが、実装化に至ったものは少ないと指摘。「小さな成功モデルを広げていき、ゆくゆくはアジアの市場も見据える。沖縄の製造業の柱をモビリティから構築したい」と強調した。 (當山幸都)