県内建設最大手の国場組は長年グループの代表を務めてきた国場幸一氏(81)が退任し、2002年からザ・テラスホテルズ(当時名護国際観光)の社長として観光部門を率いてきた国場幸伸氏(71)が9月22日付で会長兼最高経営責任者(CEO)に就任した。新社長兼最高執行責任者(COO)に昇格した内間耕氏(54)と共にグループの経営を担うことになった。今後の県経済の在り方やグループの課題、経営の展望について国場幸伸会長に聞いた。
―抱負は。
「グループ全体の中で建設が主体だ。まずそこで課題になっていた人づくりに力を入れたい。グループ全体で人を育成して水上から水下まで担える会社に進化させたい。もう一つは昔から国場組はまちづくりという大きな役割を担ってきた。われわれは地域をデザインしていくのが大きな仕事。まちづくりを国場組としてやっていくということを考えたい」
―経営ビジョンは。
「リエンジニアリング(既存の管理方法や業務プロセスを抜本的に見直し、変更すること)が必要だと思っている。企画から設計、施工、テナントビルの運営の在り方まで、一貫してデザインできる集団をつくる。県外のゼネコンとの勝負になるが、ローカル色を強みに全て初めから見直す。そうすればやるべきことは見つかってくる。協力会社とも一体となって組み立てていきたい」
―今後の県経済のあるべき方向とは。
「観光を中心とした産業しかないだろう。外貨獲得のため観光は大切な役割がある。一番沖縄にとって優位性が高い。その中でビジネス意欲が強まり、投資が始まる」
「今後ますます県外からの投資が入ってくる。沖縄の事業者が取り残されないように地元が生きる仕組みをつくる方策が必要だ。国予算の高率補助も早く見直して自分たちでできることを考え出さないといけない。基地問題にしても跡地利用像をビジュアルで見せ、解決策を出すことを先にやるべきだろう。われわれの仕事はそういうまちづくりやデザインをすること。沖縄のためやっていく必要があると思っている」
―約25年ぶりに建設の現場に入る。
「ホテル開発はブランディングをしっかりやっていくことを体現してきた。今後もリゾート戦略を組み立て取り組んでいきたい。石垣市の川平地区でのホテル開発計画を進める。あと8年で創業100周年。沖縄、地域が抱える問題を解決できるよう、高付加価値、高収益の会社の体制をつくっていきたい。観光でやってきたことを建築で生かしていけると思っている」
(聞き手 統合編集局長・島洋子)