【中部】神村酒造(うるま市)とバイオ研究開発のバイオジェット(同)、琉球大学農学部の水谷治准教授らのグループが、現在用いられている泡盛黒麴(こうじ)菌から最も古い時代に分岐した黒麴菌の「琉古株」を使った初めての泡盛を開発した。27~29日に那覇市の奥武山公園・県立武道館で開催される「沖縄の産業まつり」会場で販売する。
「琉古株仕込み 琉球大学の泡盛Ⅱ」と名付け、うるま市の神村酒造直売店、オンラインショップ、琉球大生協で販売する。琉球大が泡盛メーカーと共同開発した「琉球大学の泡盛」を作るのは6年ぶり2回目。琉球大で発酵などを学ぶ学生7人が酒造りに協力した。
琉古株は1935年に泡盛もろみから分離・保管されていた株。現在泡盛製造で使われている主流の2種とは遺伝子構造が離れていることから、従来とは異なる個性の泡盛が作れる可能性があるとみて作った。深い香りや濃厚な風味が特徴。
琉球大大学院で黒麴菌を研究する農学研究科2年の阿部多恵さん(24)は「自分たちが関わった酒が商品化されてうれしい。若者の酒離れも言われるが、20代の自分たちが役に立ちたい」と話した。価格は30度500ミリリットルが税込み2420円。まつり会場限定で原酒47度も販売する。
(島袋良太)