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恩納村のブランド「あふそ米」を泡盛に 移転の咲元酒造、「地産」にこだわり農家と連携


恩納村のブランド「あふそ米」を泡盛に 移転の咲元酒造、「地産」にこだわり農家と連携 最初の工程となる蒸し米を作る機械の前でおはらいをする神職=1日、恩納村の咲元酒造
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【恩納】咲元酒造(恩納村、上地栄一代表)は1日、村のブランド米「あふそ米」を使ったテロワール泡盛の仕込み式を同社で開いた。あふそ米を使った泡盛の製造は初めて。2020年に恩納村の琉球村へ移転後、村の酒蔵としての認知度が低いことや、小規模酒造の生き残りを模索する中で、農家の協力を得て悲願だった“地産”の原材料にこだわった泡盛の製造にこぎ着けた。

 村を挙げたブランド商品作りの一環。恩納村の長浜善巳村長は「村の原料と水を使い、村の仲間で作った酒を県内はもとより全国に発信していきたい」と意気込んだ。

使用される恩納村のブランド米「あふそ米」

 あふそ米は村安富祖で古くから作られている米で、香りの良さが評価されている。同社によると、従来のタイ米に比べ米の油分が多く、甘みが出た泡盛になることを期待している。今年8月、区内で精米所の稼働が始まったことで米の安定供給が可能となり、一期作と二期作の米計1・8トンの供給を受けることになった。

 今回製造が始まった泡盛は23日頃に原酒が完成し、半年ほど寝かせて油やガス臭を抜く。一般向けの流通は早くても半年後を見込む。製造量は従来のタイ米と同じ歩留まりの場合、1400リットルから1600リットルになる見込み。

 式典で上地代表は「海外の販路を模索し、開拓したが、その際に恩納村で作ったブランドの酒がなかった。悲願だった安富祖の米を受け入れることができた」と喜んだ。

 生産農家代表の當山謙さん(64)は「これからも米作りに励み、咲元酒造に米が提供できれば」と述べた。 (武井悠)