prime

DX・ITの国際見本市「リゾテック」開催 沖縄をアジアの“ハブ”に 実行委員長・稲垣純一氏<焦点インタビュー>


DX・ITの国際見本市「リゾテック」開催 沖縄をアジアの“ハブ”に 実行委員長・稲垣純一氏<焦点インタビュー>
この記事を書いた人 Avatar photo 普天間 伊織

 9、10の両日、沖縄市の沖縄アリーナで国際的なIT展示商談会「リゾテックエキスポ2023 in Okinawa」が開催される。過去最多となる188の企業、団体が出展。台湾、韓国、ベトナムなど海外からも10社が参加し、各社が最新技術やサービスをアピールしながら交流を深める。実行委員長を務める稲垣純一沖縄ITイノベーション戦略センター理事長に話を聞いた。

―開催の意義は。

 「人手不足が深刻化する中で、デジタルトランスフォーメーション(DX)を社会全体で進めることが重要となる。中小企業や個人事業主も可能な範囲からデジタルを活用していくような流れをつくるためにも、県内外、海外からも最新のテクノロジーが集中する展示会の役割は大きい」

―新たな取り組みは。

 「プレ開催を含めて5回目の開催だ。今回は会場を沖縄コンベンションセンターから沖縄アリーナへ移し、スペースが広くなっただけでなく、アリーナの最新設備をフル活用できる。うるま市、浦添市、東京にもサテライト会場を設け、多角的に展開する」

―海外からの出展も。

「IT国際見本市と銘打ってスタートしたものの、昨年までの約3年間はコロナの影響で当初狙っていたほど国際化を進めることが困難だった。今年になってようやく海外からの出展が10社あり、アジアを中心に各国からの来場も見込まれる状況となった。海外と日本をつなぐハブとして沖縄の価値を高めていきたい」

―沖縄のDXの課題は。

 「人手不足を補うためにDX化を実践したものの、ITに強い人材が不足しているためソリューションを生かせないという例も多い。IT人材を育成し、より効率的にDXを進めることが重要だ」

―課題解決の鍵は。

 「県内の大学や専門学校、高専などで専門的知識と技術を持つ人材は育っているが、卒業後の進路として県外企業を選択する学生が多い。リゾテックエキスポでは各校と連携することで、若者に県内企業の魅力を伝えている」

 「産学官連携、実績ある企業とスタートアップのマッチング、自治体などによる逆商談など、異なる立場や業種が交流できる機会を創出する。すでにDXを実践している企業だけでなく、課題を抱えている人やITに関心を持つ人など幅広い層に来場してほしい」

 (聞き手 普天間伊織)