【東京】政府・与党は29日、2024年産サトウキビの生産者交付金を、4年連続据え置きの1トン当たり1万6860円とすることを決めた。同日に開かれた自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会で了承し、農林水産省が決定した。
労働費が減少する一方で、作業委託費が増加していることやキビ価格の高騰を理由に引き下げを求める声も出ていたが、5年連続で同額水準を維持した。
台風など自然災害からの生産回復を支援する「さとうきび増産基金(セーフティーネット基金)」の予算は引き続き確保する。
政府・与党案には、29日成立の23年度補正予算案の26億円の範囲内で、省力化のための農業機械の導入や労働力確保など、生産性向上に向けた取り組みへの支援も盛り込まれた。
交付金が据え置きでまとまったことを受け、JA沖縄中央会の嵩原義信代表理事専務は「算定上では下げの局面だった」と明かした。
財務当局との厳しい交渉を経て交付金が据え置かれたことに対し、嵩原氏は「生産現場は資材高騰と不作で苦しい状況が続いている。来期につながるような結果になったことに深く感謝している」と安堵の表情を浮かべた。
政府・与党内で甘味資源に関する24年度予算の調整がヤマ場を迎えていたことを受け、サトウキビやテンサイなどの甘味資源作物を栽培する沖縄、鹿児島両県と北海道の農業団体などは28日、生産者対策を求める「甘味資源作物対策JA主産道県代表者集会」を開催していた。
(安里洋輔)