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アカジンの養殖場を新造 成魚は最多4万匹 海外出荷も視野 大宜味・津波小の跡地


アカジンの養殖場を新造 成魚は最多4万匹 海外出荷も視野 大宜味・津波小の跡地 新施設を見学する参加者ら=11月26日、大宜味村津波
この記事を書いた人 Avatar photo 武井 悠

 【大宜味】養殖業の紅仁(あかじん)(大宜味村、後藤徳彦代表取締役)は11月26日、村津波の旧津波小跡地内に新造した養殖場のお披露目式を行った。これまで旧津波小体育館を活用してアカジンミーバイ(スジアラ)などを養殖してきた。今後、魚を卵からふ化させて育てる繁殖事業をメインにする考え。新施設に養殖機能を移し、体育館は新たに稚魚を育てる種苗施設として活用する。

 新養殖場は水のろ過にさまざまなシステムを組み込むことで、魚の臭みを抑え、安定的な生産を可能にした。体育館ではこれまで36個の水槽を使うことで、2万~3万匹の成魚が養殖可能だった。新施設の完成で、水槽は体育館の種苗施設と合わせて約110個に増え、成魚は3万~4万匹、稚魚は20万~30万匹の養殖が可能となる。

 今後は養殖施設でアカジンを中心に親となる魚を育て、1~2年後をめどに、採れた魚卵を種苗施設でふ化させる。10センチほどに育った稚魚を養殖施設に移し、県外や海外への出荷を目指す。

 同社がこれまで育ててきたアーラミーバイ(ヤイトハタ)など他の魚を卵から育てることも視野に入れる。後藤代表は「今回の一番の目的は稚魚をつくり、各市町村とも連携して沖縄の産業の一つとなるように養殖場を広げてもらうことだ。沖縄ブランドとして沖縄から県外や海外に出せたらいい」と語った。

 紅仁は廃校となった津波小を村から借り受けて養殖事業を展開してきた。19年には天然と同じように体色を赤く変化させるアカジンの陸上養殖に成功した。

 (武井悠)