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久米島産バニラ、一大産業に 琉球ハーベスト初出品 花と食のフェスティバル


久米島産バニラ、一大産業に 琉球ハーベスト初出品 花と食のフェスティバル バニラ生産・加工を手掛ける琉球ハーベストの髙江洲郁世社長
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 琉球ハーベスト(髙江洲郁世社長)は、香料として使用されているバニラの栽培、加工を久米島町で手掛けている。バニラの世界的な価格高騰や、国産バニラの需要増などにより、県内での生産に期待が高まりつつある。髙江洲社長は「バニラを久米島で一大産業にすることで、島の活性化につなげたい」と意気込んでいる。

 髙江洲さんは、2017年に初めてバニラを植え付けた。現在、600坪のハウスで栽培しており、昨年は約130キログラムの生産量となった。

 同社は、農地と加工場が有機農産物を生産していることの証明となる「有機JAS」を県内のバニラ農家としては初めて認定取得した。これにより同社の生産物の高付加価値化も図っている。

 バニラのイメージを変えることも模索中。バニラを漬け込んだ酒、サーターアンダギーに混ぜたものなどのレシピを作っており、会場でも配布した。バニラを「手軽で身近なもの」に変えていきたいという。

 今後、農地を3千坪まで拡大することを計画。生産量は現時点で1年間で2倍近く増えており、「どれだけ増えるか分からないが、たくさん生産していきたい」とした。

 生産量増を目指す背景には、人口減少が止まらない久米島に対する思いがある。「バニラを産業にしていき、久米島の子どもたちが将来も島で働くことができるようにしたい」と熱く語った。 

(玉寄光太)