第一航空(大阪府、西洞院満寿美社長)は22日、沖縄県の路線として石垣―波照間線と石垣―多良間線の運航を開始した。
午前に竹富町の波照間空港、午後には多良間空港にそれぞれ小型機が着陸した。各空港でのセレモニーで竹富町の前泊正人町長と多良間村の運天宏和副村長ら関係者が運航開始を祝った。西洞院社長は「島の方をはじめ、皆さんのおかげで運航できる。安全第一、島民の利便性を考えて運航していく」と決意を述べた。
使用機材はDHC6―400型。乗客定員は滑走路の長さで変わり、波照間は13人、多良間は17人。
石垣―波照間は2007年まで、石垣―多良間は06年まで、いずれも琉球エアーコミューター(那覇市、RAC)の定期便が就航していた。県によると、RACは需要減やパイロット不足で両路線から撤退した。波照間、多良間ともその後、一時は別の航空会社による不定期便の運航があったが、波照間は08年、多良間は09年で運航休止。今回の就航で波照間は15年2カ月ぶりの空路再開となった。多良間はRACが宮古線を運航しているが、石垣線の航路は14年ぶりに再開した。
波照間線は月、水、土曜の週3回、多良間線は月、土曜の週2回、いずれも1日1往復。両路線とも12歳以上の大人運賃は1万4千円(島民割5千円)、3歳以上12歳未満は8500円(同3千円)、波照間、多良間出身の高校生は4200円で利用できる。竹富町は3月末まで町予算で島民割からさらに片道2千円を補助する。搭乗者は町に領収書を提出すれば、町が口座に2千円を振り込む。4月以降は一括交付金などを活用して継続できるよう調整中。
第一航空は当初22年4月に就航予定だったが、同月、多良間空港での訓練中に、小型機の滑走路逸脱事故が発生し、延期となっていた。
(照屋大哲、友寄開)