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経済界、人材育成に期待 「必要なのは補助じゃなく現金」厳しい声も 2024年県当初予算案


経済界、人材育成に期待 「必要なのは補助じゃなく現金」厳しい声も 2024年県当初予算案 イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 7日に発表された2024年度の県予算案を受け、県内経済界からは人材育成などの新規事業を肯定的に受け止める声が上がった。一方、飼料代の高騰にあえぐ農家からはさら手厚い支援を求める声もあった。

 県中小企業家同友会の喜納朝勝代表理事は、物価高騰や人手不足を新たな課題として位置付け、人材育成や中小企業の成長を促す事業に予算を投入することに期待感を示しつつ「しっかり成果を出せる仕組みにしてほしい」と要望。燃料費や資源の上昇に対する支援策について「引き続き柔軟に対応してほしい」と話した。

 「新年度は沖縄観光が回復から成長に向かえるかの重要な年になる」と位置づける沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は「観光業の経営回復のための事業をもう少し計上してほしかった。インバウンド(訪日客)も本格回復ができるよう、業界のニーズを踏まえ、十分に議論して執行してほしい」と指摘した。

 県工業連合会の古波津昇会長は「人材育成の予算が増えている一方で、物流や県単融資事業費が減額となっているのが気になる。ブランディングの予算については明確なベクトルを見せてほしい」と注文を付けた。

 飼料代の高騰で経営難に直面する畜産農家からは、飼料代の一部補助事業に対する厳しい意見もあった。県内で和牛を育てる農家は「ここ2~3年ほど、借金や年金を生産費に使っている農家が急増している。今必要なのは補助ではなく現金だ」と訴えた。

 (與那覇智早まとめ)