有料

沖縄の社会課題解決へ インパクト投資 28社から1.7億円


沖縄の社会課題解決へ インパクト投資 28社から1.7億円 うむさんラボの比屋根隆代表(前列中央)と、出資した企業関係者ら=15日、那覇市のさくらイノーベース
この記事を書いた人 Avatar photo 當山 幸都

 沖縄の社会課題解決を目的に、県内で初めて「インパクト投資」のファンドを設立したうむさんラボ(うるま市)は15日、県内企業16社を含む28社から総額1億7500万円の出資を受け、調達を完了したと発表した。貧困や環境問題、エネルギーなどの課題解決に取り組む企業に出資し、持続可能な地域経済の仕組みづくりにつながるビジネスを後押しする。

 インパクト投資は、経済的リターンと並行して、社会や環境に好影響を与えるインパクト創出を重視する投資行動を指す。うむさんラボが主導して昨年7月に設立した「カリーインパクト&イノベーションファンド」は今後、低い県民所得や貧困、エネルギー、環境問題といった沖縄特有の社会課題の解決に取り組む起業家、スタートアップを対象に1社当たり500万~2千万円程度を出資する。運用期間は10年。

 環境や社会に与える投資効果については評価手法が確立されていない面もあり、インパクト投資を推進する「社会変革推進財団」(東京)の協力を得て可視化する。

 うむさんラボの比屋根隆代表(レキサス社長)は、沖縄らしい資金調達手法として欧米で拡大するインパクト投資に着目し、2017年からファンドの構想を温めてきた。15日の記者会見で、比屋根氏は「成果を出し、26~27年には10億円規模の2号ファンドを立ち上げたい。補助金に期待するのではなく、最終的には県民が少しずつお金を出し合い、インパクトを実感できるような仕組みをつくっていきたい」と展望した。 (當山幸都)