「コスパ最強」を打ち出し沖縄に初進出した食品専門スーパー「ロピア」の出足が好調だ。那覇市安里のさいおんスクエア内に構えた「ロピア沖縄国際通り店」には初日の25日に続き、26日も午前10時の開店前から行列ができた。同日報道陣の取材に応じたロピアの相川博史取締役は「(沖縄の)可能性はかなり大きい。20店、30店と出していけるのではないか」と将来展開にも意欲を見せた。
ロピアによると、初日の25日はレジを利用した買い物客が5千人を超えた。1032平方メートルの売り場面積で青果や精肉、鮮魚、総菜など1万品目を扱う。
■大容量、味付け食品 狙うは「30~40代のファミリー層」
90店舗目となる沖縄国際通り店は全国初のフランチャイズ(FC)出店で、「フレッシュプラザユニオン」を沖縄県内で20店舗展開する野嵩商会(宜野湾市)が運営を担う。ロピアを傘下に置くOICグループの担当者によると、店舗や従業員の確保に要する出店コストが抑えられ、自社ブランド以外の商品の仕入れに野嵩商会の物流網を活用できるメリットがあるという。
ロピアが主なターゲットに据えるのは「30~40代の子育て世代のファミリー層」(相川取締役)だ。肉や魚、総菜は大容量のパック商品が並ぶ。あらかじめ味付けしてある食品も多い。
店内で焼かれる本格ピザは沖縄でも売れ筋となりそうで、初日の25日はマルゲリータ(税抜き390円)を中心に2008枚が売れた。相川取締役は「普通のスーパーの総菜コーナーにあるおにぎりや弁当は一切ない。家族が夕食で食べる物を中心にそろえている」と話す。
■「低価格」支えるコスト削減策
1971年に神奈川県藤沢市で精肉店として始まったロピアは「同じ商品ならより安く」「同じ価格ならより良いものを」がモットー。精肉は自社ブランドの「みなもと和牛」をはじめ、国産から外国産まで幅広く取り扱う。バイヤーによる問屋を介さない仕入れや、飲料の常温販売、会計を現金のみとしキャッシュレス決済の手数料負担をなくすといったコスト削減策が低価格路線を支える。
野嵩商会の仲村知充専務はロピアについて「沖縄にはまずない、楽しい売り場と売り方に共感を受け、FC契約の話をさせていただいた。ターゲットもユニオンとも差別化され、違いは出せる」と強調した。
(當山 幸都)