2025年8月、ファーストキャビンHD(東京)が那覇空港内に初めての宿泊施設を開業する。那覇空港ビルディング(NABCO)の宿泊施設誘致は、空港の24時間運営に向けた機能強化を図るほか、将来的な国際旅客ハブ化につなげる狙いもある。
NABCOは20年以上前から空港へのホテル誘致の構想を抱いていたが、空港が那覇市内と近く需要が見込めないことや、館内の面積が限られているとして、案は据え置かれていた。
一方で、一部の航空会社が深夜便を運航していたコロナ前、ゆいレールの運行終了により利用客がホテルまでタクシー移動をしていた状況があった。今後、深夜便運航の再開や空港の24時間運営が実現した場合、利用客の宿泊ニーズに対応する必要があると判断した。
その上でNABCOの担当者は「館内の限られた面積を有効的に使えるホテルを誘致したかった」と、羽田などで小型宿泊施設の実績があるファーストキャビンHDを誘致した経緯を語った。 23年度は那覇空港の乗降客数も国内線はコロナ前の19年の水準まで回復。国内の主要空港内ではホテル設置事例があることなどから、空港利用客の利便性向上を図ることで「全72室の客室も十分に需要があるだろう」と見通した。
ファーストキャビンHDの小林千花社長は「近年はホテル価格が高騰しているため、宿泊費を抑え、趣味や食事にお金と時間を使いたいという価値観の人が多い。那覇空港での需要も大きくある」と新ホテルに期待した。
(與那覇智早)