台湾最南端に位置する屏東県の周春米県長が4~6日、沖縄を訪れて玉城デニー知事と会談し、観光施設などを視察した。訪問の狙いや今後の展望を聞いた。
―訪問の目的は。
「沖縄は豊かな歴史文化があり、産業の条件も屏東と似ている。訪問の目的はより正式な都市間交流を実現することだ」
―屏東県の特徴は。
「台湾22県市の中でトップ2に入る農業県だ。観光にも力を入れている。恒春半島には観光客が年間600万人、沖縄と同じ名称の(サンゴ礁の島の)『小琉球』には200万人が訪れ、沖縄と同様に観光の国際化、現代化を目指している。農漁業の発展、観光の質と魅力の向上、それからハイテク産業誘致の三つを政策の柱に掲げている」
―今年1月に鹿児島県と交流促進のMOU(連携協定)を締結した。
「MOUの効果は大きい。9月には屏東の養豚業、農漁業、若い起業家の3団体を率いて鹿児島を再訪する。沖縄も近年積極的に交流を進めている。1874年の『牡丹社事件』を含め歴史的に深いつながりがあり、締結の実現を望んでいる」
―沖縄と協力を深めたい分野は。
「正式に締結されるとすれば農業、観光、教育、交通の各方面での交流に重点を置くことになると思う」
(聞き手・當山幸都)