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道路・橋梁の異常は#9910へ 物流基盤、地域で見守り <けいざい風水>


道路・橋梁の異常は#9910へ 物流基盤、地域で見守り <けいざい風水>
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 沖縄県では道路・橋梁(きょうりょう)を敷設することで山間部や島しょ地域の物流を実現しています。また道路は通勤・通学、日常生活や緊急車両の通行だけでなく、電気、水道、ガス、下水道などのライフラインを収容する空間としても利用されています。

 沖縄総合事務局によると、道路や橋梁は1972年の復帰後に急速に整備されています。多くの道路や橋梁が敷設から50年を経過していることから今後必要な整備が増加することが懸念されています。

 自然災害などで道路が損傷し、物流から分断された地域の報道も目にするようになりましたが、対岸の火事ではありません。県内でも道路パトロールカーなどの巡回による道路等の異常点検を実施しているものの、財政事情などの問題により、行政では限られた予算で整備計画を立案・実施しています。また今後の道路整備は物流の重要性に鑑みた優先度によらなければならないことも予想されます。

 行政は道路緊急ダイヤル#9910を設置し、住民ら利用者も経年劣化などによる異常を通報し、道路の維持管理に参画することが可能です。行政の目が行き届きにくい異常を通報することで保全対応の迅速化や地域の物流基盤の維持が見込まれます。

 日頃当たり前のように通行する道路・橋梁の損壊状況を地域で見守るなど、利用者皆で道路等の維持への参画意識を持つことで、整備計画の精緻化や維持管理・整備の現場の方々への感謝につながるかもしれません。

この記事を書いた人
安里 直樹 沖縄銀行 監査部 上席検査役