中学高校の時は、トイレの鏡前で自分の髪に手をやる女の子が羨ましかった。「人がいるのに躊躇しないのだろうか」「私には無理だ」と。だが、周りに誰もいない無人の時に限っては、その鏡を独占した。ところがどうだ! ふふ、今ではうっかり油断すると机上に鏡が2個並ぶ。良いか悪いか、年齢とともに人目を気にしなくなってしまったようだ。
家ごもりが得意の私は、こう話すとなかなか信じてもらえないのだが、実は結構な出不精で、近い将来「小汚いお婆さん」になる自信があった。それを救ってくれたのが今の仕事、美容業界である。
私の外見に大した変化はなくとも、何といっても一番大事な「意識」が変わった。美容と生活は密接なのだという意識の変革。単なる健康状態を超えた幸福感や満足感満載の状態であるためには、自己実現と成長、つながりと感謝、前向きと楽観、独立と自分らしさなどが必要とされるのはご存じの通りだ。
長寿自慢のブルーゾーン沖縄でせっかく生きていく私たちには、それら全てに関わりがあるといえる美容をスルーするわけにはいかない。ビジネスや生きる姿勢等の総合力抜群だと「美容」に賛辞を贈る一方、ウェルビーイングを導くもう一つのカギでもある「感謝」にも触れておかねばバランスを欠く。
これまでのコラムをご覧いただいた皆さまから頂く多くの暖かい激励や応援。美容と感謝の一対で生きていこうと深く心に誓った日々。半年間ありがとうございました。
琉美インターナショナルビューティカレッジ校長。1962年5月、山口県生まれ。32年間、沖縄県立学校に勤務し、糸満高校、南風原高校、名護高校で校長を歴任。2023年3月名護高校を退職。同年4月から現職。県教育委員会委員。趣味は読書、ガーデニング。