高校を卒業し琉球石油に入社した。そのきっかけは働くことに特別な目的があったわけではなく、担任の先生に薦められたことだった。
琉球石油では1950年創立当初から「社業の公共性に徹し、沖縄のためになる経営を」という理念が息づいており、日々の朝礼で標語「われらの目標」を唱和した。上司・先輩からの指導を通じ、「社会貢献、誰かのためになること」と自身の働く目的を初めて意識した。
91年、琉球石油はりゅうせきへ社名変更し、初のCIを導入した。当時の私は結婚退職を経て、出産・育児をしながら派遣社員としてグループ会社で勤務していた。その中で企業ブランディングに幼い息子が関わることとなり、ハプニングもあったが無事に撮影を終え新聞広告が掲載された。参加した他のスタッフともつながりを深めるなど、その体験は思い出深く、りゅうせきと私のつながりを強くしたと感じる。
そして昨年、りゅうせきは新CIを導入し、「人、島、世界へ、次の幸せを生み出す原動力になる」とパーパスを定め、「社業の公共性に徹する」という創業者精神を未来にわたって実践する意志を掲げた。この想いは入社から40年たった今も、各社員に脈々と引き継がれていると感じる。私は正社員から派遣社員、再び正社員となり、管理職を経て、取締役を務めているが、先輩から引き継いだ想いを次代につなぎ、社員が成長できる環境をつくり、その幸せを感じてもらえるよう日々取り組んでいる。
1966年生まれ、那覇市出身。株式会社りゅうせき常務取締役・経営管理部担当役員。84年琉球石油(現りゅうせき)入社。2021年に経営管理本部決算担当専任部長。22年取締役に就任、24年6月から現職。