11月1日は泡盛の日。泡盛卸・小売りの喜屋武商店(那覇市)は1日、琉球泡盛の「簡単仕次ぎの古酒キット」を発売する。甕(かめ)ではなく一升瓶を使うことで、自宅で手軽に継ぎ足しして少しずつ古酒の味わいを楽しめるようにした。喜屋武善範社長は「泡盛通の中でも、古酒の仕次ぎを実践している人はなかなかいない。一升瓶から始め、甕に挑戦してもらえたら」と狙いを語る。
泡盛の仕次ぎは沖縄で昔から伝わる古酒の育成法。製造年の異なる泡盛を貯蔵し、一番古い古酒を親酒(あひゃー)として、飲んだ後に2番甕から親酒に、3番甕から2番甕にと継ぎ足していく。仕次ぎした古酒はバニラなどの香味特性が増すとの研究結果がある。
喜屋武商店のキットは20年古酒の親酒を含む5本入り。仕次ぎに使う計量カップやテイスティンググラス、沖縄伝統のカラカラ、おちょこにもこだわった。化粧箱は床の間に飾れるようなデザインで、仕次ぎの履歴を記入できるようにした。
喜屋武社長は「泡盛のファンはたくさんいる。仕次ぎ文化を再認識してほしい」と話した。キットは税込み5万8千円。喜屋武商店や酒販店で取り扱う。
(當山幸都)