【石垣】八重山農林高校の生徒が世話をする若雌牛「わかこ号」が7日に糸満市で行われる県畜産共進会(県共)に初出場する。県内各地から選び抜かれた牛が一堂に会する舞台だ。わかこ号を連日朝から晩まで手塩にかけて育ててきた農高フードプロデュース科の生徒5人は「牛と気持ちを合わせて4席(4位)までに入りたい」と意気込んでいる。
わかこ号の調教・管理を担ってきた5人は、3年生の上地翔愛(とあ)さん、2年生の田盛悠祐さん、1年生の新城眞那佐(まなさ)さん、新里疾風(はやて)さん、吉本秀紀さん。全員、実家が牛飼いで、牛と向き合う親の背中を見て育ってきた。
5人は9月にあった八重山郡畜産共進会(郡共)の若雌I類(14カ月以上17カ月未満)に、わかこ号を初出品した。将来母牛になることを見据えて競い合う部門で、一般の生産農家からの出品牛を含めた5頭の中から2席(2位)を獲得し、見事、県共への出場を決めた。わかこ号の毛や皮膚の状態の良さなどが評価された。
牛の手綱を引くハンドラーを務める上地さんは「うれしかったし、驚きもある」と語った。県共に向けて「緊張すると思うが堂々といい見せ方をしたい」と手綱をぎゅっとにぎった。
5人は県共出場に向けて、土日も朝6時から、わかこ号が寝る夜8時ごろまで世話をする日々を送り、餌やりやブラッシング、牛舎の清掃などを毎日続けている。
わかこ号が食べやすいよう餌の草を短く切ってあげている田盛さんは「県共でもいい順位に行けるよう牛のボディーコンデションを整えたい」と意気込んだ。わかこ号のふんを素手でさっと拾い片付ける新城さんは「朝早くから世話をして築いてきた牛との信頼関係を生かしたい」と県共を待ち望んだ。
わかこ号は1日に船便で石垣から那覇に向かった。5人は6日に本島へ行き、7日の本番に臨む。
(照屋大哲)