有料

「償っても償いきれない。一生背負う」“夜回り先生”原点となった教え子の出来事 興南中で講演 沖縄


「償っても償いきれない。一生背負う」“夜回り先生”原点となった教え子の出来事 興南中で講演 沖縄 薬物の危険性について講演する「夜回り先生」こと水谷修さん=21日、那覇市古島の興南中学校
この記事を書いた人 Avatar photo 渡真利 優人

 県薬物乱用防止協会は21日、講演会「さらば、哀しみのドラッグ~夜回り先生からのメッセージ」を那覇市の興南中学校で開催した。「夜回り先生」として知られ、若者の薬物乱用防止や非行問題に取り組んでいる教育評論家の水谷修さんを講師に招いた。水谷さんは深夜の繁華街で子どもたちに声をかけてきた34年間を振り返り「34年の闘いで最も憎いものは薬物だった」と、薬物の危険性を訴えた。

 水谷さんは県内でも那覇市や沖縄市、名護市でも夜回りの経験がある。夜回りの原点となった教え子のエピソードを話し、「シンナーを吸い、ダンプカーに飛び込んで亡くなった。吸うと分かっていながら止められなかった。一生背負う。償っても償いきれない」と振り返った。

 薬物の依存性と違法性にも触れ「やるとやめられないのが薬物、やると捕まるのが薬物」と強調し、危険性を訴えた。

 約460人の生徒は水谷さんのよどみなく話す姿に耳を傾けていた。

 生徒を代表して3年生の大熊礼登(あやと)さん(15)は「中学生の身近に薬物が迫ってきているが、絶対に手を出さないようにします」と誓った。

 同中学校での講演会は2019年に続いて2回目となる。

 (渡真利優人)