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運動部活動の持続可能な「地域移行」探る 県教委がシンポ、先進事例や課題を共有 沖縄市の県立総合教育センター


運動部活動の持続可能な「地域移行」探る 県教委がシンポ、先進事例や課題を共有 沖縄市の県立総合教育センター 「地域に根ざした新たなスポーツ環境の整備に向けて」を主題に議論を深めた登壇者ら=11月14日、沖縄市の県立総合教育センター
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 公立中学校の運動部活動を地域団体などに委ねる「地域移行」の必要性や課題への理解を深めるため、県教育委員会は講演会・シンポジウムを11月14日、沖縄市の県立総合教育センターで開いた。シンポジウムでは登壇者が持続可能な地域移行について議論を深めた。学校の部活動担当者や地域の指導者など約150人が出席した。

 シンポジウムは「地域に根ざした新たなスポーツ環境の整備に向けて」を主題に県総括コーディネーターの石塚大輔さんが進行した。嘉手苅弘美うるま市教育長は、県内の先進事例として2017年度から取り組む市の部活動改革を説明した。保護者や教員へのアンケート実施や、検討会発足による推進計画策定の経緯を紹介し、「7年の実績があり、地域移行への期待感が大きい」と手応えを語った。

 県スポーツ少年団の神谷良昌本部長は、スポ少の理念に「スポーツで人々をつなぎ、地域作りに貢献する」などがあるとして「部活動の受け皿の一つとして今後も積極的に関わる」と意欲を示した。琉球大の宮城政也教授は、部活動がなくなると子どもの身体活動量が減ると指摘。「健康面の担保についても検討しないといけない」と語った。鹿児島県立短期大の與儀幸朝教授は鹿児島での取り組みを報告した。

 基調講演はスポーツ庁有識者会議の座長を務めた、日本学校体育研究連合会の友添秀則会長が登壇。部活動の地域連携・移行の経緯や課題を説明し「地域移行しなければ部活の衰退や消滅を招く。部活と地域の再生にとって必須だ」と地域移行の重要性を指摘した。

 (高橋夏帆)