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自動採点システムで“劇的に時短” 沖縄・与那原町の中学校 2時間で1クラス→4クラスが可能に


自動採点システムで“劇的に時短” 沖縄・与那原町の中学校 2時間で1クラス→4クラスが可能に 自動採点システムを使って採点、分析している様子=19日、与那原町の同校(写真は一部加工しています)
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉数 陽

 与那原町では2022年度から町で予算を確保し、テストの自動採点システムを中学校に導入している。学校では「採点と分析にかかっていた時間が劇的に短縮された」と好評だ。

 導入のきっかけは、与那原中学校教員からの提案だった。2021年、自動採点システム「百問繚乱」の活用を町教育委員会に提案した。「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)はもちろん、教員が作る試験にも対応できる。問題と模範解答をスキャンするだけで採点・分析でき、誤答や無回答だけを抽出して比較することもできる。採点と分析結果は生徒の学習端末にデータ送信できるため、解答用紙返却の手間も省ける。記述式の解答は、教員が採点する必要がある。

 システムを1年試用したのち、町教委は「教員の働き方改革になる上に、学力向上も期待できる」として22年度分から予算を確保。町内の中学は与那原中1校で、必要経費は年間約12万円。小学校は、テストの問題数が少ないことなどから教師による採点が速いと判断した。与那原中で社会科を教えている中澤明子教諭は「採点や分析など以前は1クラス2時間かかっていた。システムを使えば担当の4クラス約120人分を、2時間で終えられる」と絶賛する。

 町教委は来年度も予算を確保する予定。「少しでも先生の負担が軽減できれば」と、他の業務改善策も模索している。

 (嘉数陽)