「裏金ってあるんですか?」高校生が直球質問 自民県議の答えは? 八重山農林高で出前講座 沖縄


「裏金ってあるんですか?」高校生が直球質問 自民県議の答えは? 八重山農林高で出前講座 沖縄 県議(中央)と意見を交わす生徒ら=1月25日、石垣市の県立八重山農林高校
この記事を書いた人 Avatar photo 照屋 大哲

 主権者意識と地方自治への関心を高めようと、沖縄県議会は1月25日、県立八重山農林高校で出前講座を開いた。離島では初開催。県議6人と2年生約40人が各班に分かれ、意見を交わした。生徒は性、給料、基地問題などについて疑問を投げかけた。中には「裏金」に関する忖度(そんたく)なしの質問も。県議の答えに前のめりで聞き入る生徒もいた。

 出席した県議は石垣市区選出の大浜一郎氏(沖縄・自民)と次呂久成崇氏(おきなわ新風)、石垣市出身の比嘉京子氏(てぃーだ平和ネット)のほか山里将雄氏(同)、新垣淑豊氏(沖縄・自民)、瀬長美佐雄氏(共産)。

 「政治と金が問題になっているが裏金ってあるんですか?」。夢は「内閣総理大臣」と掲げる生徒(17)が直球の質問を大浜氏にぶつけた。「ない」ときっぱり答えた大浜氏に「県議はお金にクリーンということか?」とたたみかけた。「クリーンというかお金がない」と大浜氏。生徒の質問はやまず「地元に帰って来ると自民党は何やっているんだと言われないですか?」と問い、「そりゃ言われるよ」と本音で回答した。

 次呂久氏には「県議ってもうかるんですか?」と報酬(給与)に関する質問が飛んだ。「もうかる仕事ではないな」と答えた次呂久氏は月に20回ほど、石垣―那覇間を飛行機で移動しており、費用は自腹であると説明。離島議員の大変さを伝えた。

県議(左)の話しを真剣な表情で聞く生徒=1月25日、石垣市の県立八重山農林高校

 女子生徒は比嘉氏に「性」に関する疑問を投げかけた。望まない妊娠を防ぐために性交後に服用する「緊急避妊薬(アフターピル)」の購入に、18歳未満は保護者の同伴と同意が必要になることについて話題が及んだ。比嘉氏は体を大切にすることや正しい知識を身に付けることが大切だと、生徒と思いを伝え合った。

 鋭い質問をし続けた生徒は「めちゃくちゃ楽しかった」と目を見開いて感想を述べた。総理大臣になったら「少子化対策」に取り組みたいと意気込んだ。別の生徒(16)は性の問題に関する比嘉氏の答えに「言ってることが正しいと感じ、疑問解決になった」と振り返った。普段は政治に関するニュースは見ないが講座を経て、将来について「政治家にちょっと興味が出た」と、政治が少し身近になった様子だった。

 (照屋大哲)