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部活動での「暴力」解決したか? 生徒と指導者の認識に「差」 沖縄県教委の調査


部活動での「暴力」解決したか? 生徒と指導者の認識に「差」 沖縄県教委の調査
この記事を書いた人 Avatar photo 高橋 夏帆

 沖縄県教育委員会は14日、県立高校の部員や指導者、保護者らを対象にした4回目の部活動実態調査の結果を公表した。アンケートに回答した部員9342人のうち、181人(1.9%)が「所属する部活動で暴力・暴言・ハラスメントを受けたことがある」と回答した。そのうち「解決されていない」と答えた部員は98人(54.1%)だった。

 一方で、回答した指導者2320人中「部員や保護者らから暴力・暴言などの訴えがあった」と回答した指導者19人(0.8%)のうち、2人(10.5%)が「解決されていない」と回答。前回調査に引き続き解決について部員と指導者の認識に隔たりがあった。

 体罰・ハラスメントを受けた部員のうち、51.4%が「顧問教諭から受けた」と回答した。内容(複数回答可)は「暴言」が最多で75.1%。次いで多かったのは「無視」の17.7%だった。

 また「ハラスメントを受けたことがある」と答えた部員181人のうち「最初に誰に相談したか」を質問したところ、13.8%が「誰にも相談できていない」と答えた。

 2023年に高校生の検討委員会が暴力や暴言などのない部活に向けて「県高校部活生メッセージ2023」を発信したが、今回の調査からそのメッセージを知っているかを問う質問が新設された。内容を「全く知らない」と答えた部員が78.7%で、指導者の半数も認識が低かった。

 メッセージでは、指導者に対して、コミュニケーションが取りやすく生徒の意見が尊重されるチームを一緒につくることなどが求められていた。

 回答期間は23年12月18日~24年1月26日。調査対象は23年4~11月の事案。県立高校77校の管理職、指導者、部員、保護者の5万2474人に実施し、回答総数は前回より2804人多い1万4911人(回答率28.4%)だった。調査は、コザ高2年(当時)の運動部男子生徒が自ら命を絶った問題をきっかけに始まった。

 (高橋夏帆)