「自撮り写真」をかわいらしく、面白く“盛って”くれる写真アプリが若い世代を中心に人気を集めています。友人同士でコミュニケーションのキッカケにもなるので、利用したことのある人も多いのではないでしょうか。基本的には楽しく使える自撮りアプリですが、頼りすぎてしまうと現実の自分の顔とのギャップに悩むかもしれません。アプリを利用して“盛った”状態に慣れてしまうと、鏡に映る自分の姿に“盛れていない”と落ち込んでしまうのです。
SNSは、特に若い世代の心の健康(メンタルヘルス)に悪い影響が出やすいという調査結果が出ていて、アメリカではSNS企業に対する訴訟なども起きています【※1】。人を見た目だけで判断する「ルッキズム」という考え方がありますが、特に若者向けのSNSでは、ユーザーのルッキズムを強調し、不安を生じさせてしまいます。さらに、美容整形手術や無理なダイエットをオススメするインフルエンサーが若者向けにルッキズムをあおり、本来は悩む必要のない若者が、ますます自分の見た目に悩んで、メンタルヘルスの悪化を招いてしまう事象が起きています。
現代のインターネットは「フィルターバブル」【※2】という仕組みで、その人に合わせた偏(かたよ)った情報が流れてきます。一度、ルッキズムにまみれた場所に足を踏み入れてしまうと、そこからルッキズムのバブル(泡)の中に閉じ込められ、抜け出すのに一苦労するかもしれません。何気なく使っている自撮りアプリが、バブルの入り口にならないか、注意深く使うように心がけましょう。
~ 言葉の解説 ~
※1 アメリカではSNS企業に対する訴訟なども起きています
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※2 「フィルターバブル」
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モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。