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沖縄の問題、自分事に 愛知・至学館大 歴史や文化学ぶ


沖縄の問題、自分事に 愛知・至学館大 歴史や文化学ぶ 沖縄の歴史や現在の基地問題について学んだ学生ら=20日、愛知県の至学館大学
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 慰霊の日を前にした6月20日、愛知県の至学館大学で沖縄の歴史や現在の基地問題について考える授業があった。「近・現代史」の授業の一環で、4年生150人が受講した。授業を担当した健康科学部健康スポーツ科学科准教授の越智久美子さんは、授業の冒頭「沖縄に行ったことがあるか」と問いかけると約7割の学生が手を挙げた。一方、「沖縄の慰霊の日を知っているか」という問いには手を挙げる学生はおらず、慰霊の日が知られていない実態がうかがえた。

 越智さんは授業の中で「沖縄戦の終結から79年、本土復帰から52年、いまだに沖縄県に米軍基地が集中している。(名護市)辺野古への新基地建設問題に関して沖縄県だけの問題ではない。自分事として想像してみてほしい」と呼びかけた。

 越智さんは20代の頃に沖縄の歴史や文化、多くの沖縄の人に触れ、人生の指針を得た経験から、それを少しでも学生に伝えたいと10年前から創意工夫を重ねて沖縄を伝える授業を実施している。また、この日の授業には同大学卒業生で読谷村出身の三線奏者知花時野さんをゲストに招いた。知花さんは学生と一緒に「てぃんさぐぬ花」や「島人ぬ宝」などを歌った。

 受講した中根開斗さん(21)は「慰霊の日は日本全体で慰霊すべき日だと感じた。米軍基地については、これが愛知県にあったらと考えるととても恐ろしく、沖縄に負担させている現状から目をそらしてはいけないと思った」と話した。市川大起さん(21)は「『命どぅ宝』という教えは全国の学校教育でもっと取り上げるべき」と言い、近藤宏起さん(22)は「争いによって得られるものは何もない。自分事として考え、若者が行動していく必要がある」と語った。

 (古堅初子通信員)