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南こうせつ、森山良子 沖縄への思い歌に込め 軽妙トークに観客も笑顔 なはーと公演


南こうせつ、森山良子 沖縄への思い歌に込め 軽妙トークに観客も笑顔 なはーと公演 「さよならの夏」「上を向いて歩こう」を歌う南こうせつ(左)と森山良子=1月21日、那覇文化芸術劇場なはーと大劇場
この記事を書いた人 Avatar photo 田中 芳

 日本を代表するシンガーの南こうせつと森山良子の「プレミアムライブ2024」の沖縄公演が1月21日、那覇文化芸術劇場なはーと大劇場であった。南の「神田川」や森山の「さとうきび畑」といった代表曲をそれぞれがソロで歌った。デュエットも披露した。2人一緒での沖縄公演は約5年ぶり。沖縄への思いを感じるトークと音楽でファンを魅了し、勇気づけた。

 幕開けは「あの素晴らしい愛をもう一度」をデュエットで歌い、序盤から軽妙なトークで観客を笑わせた。森山は「沖縄の空気は特に柔らかい。着いた瞬間から心が和らいで華やぐ。楽しいです」と語った。

 南は能登半島地震や世界での紛争について触れ、「一人一人の明るい気持ちが平和へ、豊かに暮らすことへのメッセージになる。やっぱり前向きに笑顔で。一番良い薬は歌です」と語り、能登半島地震の犠牲者へ1分間の黙とうもあった。

 南は「かぐや姫」時代の名曲を披露。自身の父親をモデルにした「うちのお父さん」では、沖縄メロディーを取り入れて制作したことを明かし、歌詞を「明日平和になあれ」に替えて歌った。「夢一夜」や「神田川」で中国古箏演奏家のウー・ファンを迎え、はかなげに歌った。

 森山はデビュー曲の「この広い野原いっぱい」を朗らかに歌い、会場を温かな雰囲気に包んだ。初期の4曲をメドレーで披露して観客を沸かせた。「悲しき天使」では、身体の底から声を出し切るように歌い上げ、あふれんばかりの拍手が起きた。

 名護ジュニアコーラスの子どもたちや、いーどぅしの奏絵(三線)と共演して「涙そうそう」、いとこのムッシュかまやつの楽曲をカバーした「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」なども披露した。

 アンコールで南と森山は「さよならの夏」「上を向いて歩こう」を伸びやかに歌った。観客の指笛や拍手、歓声に包まれ、バンドメンバーと手をつないで終演を迎えた。

(田中芳)