豪華出演者によるプレミアムイベント「Output LAUGH PROJECT アベンジャーズ SPECIAL Output~桜坂劇場 サーキット祭」


豪華出演者によるプレミアムイベント「Output LAUGH PROJECT アベンジャーズ SPECIAL Output~桜坂劇場 サーキット祭」
この記事を書いた人 Avatar photo 饒波 貴子

お笑いと音楽のサーキットイベント「Output LAUGH PROJECT (アウトプット・ラフプロジェクト)アベンジャーズSPECIAL」が3月10日、那覇市内で開催された。ライブハウス「Output」主催の本イベントは、2022年10月にスタートした「LAUGH PROJECT」シリーズの集大成。これまでに出演した県内外のお笑い芸人・ミュージシャンが集合し、Outputと桜坂劇場ホールA・Bの舞台でパフォーマンスを披露した。

開催前から注目されたのは、その豪華出演陣。日本一の漫才師を決めるコンテスト「M-1グランプリ2023」優勝コンビの令和ロマンと準優勝のヤーレンズがそろって出演。また、街裏ぴんくが開催前日に行われたピン芸人コンテスト「R-1グランプリ2024」で優勝を勝ち取り、日本を代表する旬芸人3組が来沖するミラクルな展開に。「沖縄ですごいイベントがあるらしい」とお笑いファンや業界関係者でうわさになり、出演者をブッキングしたOutputの店長・上江洲修さんの先見の明も話題になった。

饒波貴子(フリーライター)

M-1優勝・準優勝コンビが続けて登場!

14時にOutputで幕を開けた本イベント。MCのナガハマヒロキさん、金城晋也さん(リップサービス)が「チケット完売のとんでもないイベントがスタートする」と切り出すと、スタンディング客約250人の熱気は高まり「盛り上がっていきましょう!」という上江洲店長の開会宣言でスタートした。

ヤーレンズ

沖縄の若手3組、凸凹トラベリング・しんとすけ・ありんくりんの漫才が続いた後に、ヤーレンズが登場。指笛で歓迎された2人は「消防法が気になるくらい大勢のお客さんが集まった」と喜び、普天間や辺野古など沖縄の地名を盛り込んだ、この場ならではの漫才で観客を沸かせた。令和ロマンは拍手喝采に包まれながら「ヤーレンズにぴんくさん、東京のなじみのメンバーと沖縄に来ることができてうれしい」と語り、半年ぶりにOutputの舞台に戻った喜びも伝えながら「出てみたいテレビ番組」をテーマにした漫才で爆笑を誘った。

R-1チャンピオンがトロフィー持参

桜坂劇場のオープニングを務めたのは、前夜にピン芸人の頂点に登りつめた街裏ぴんく。ホールBに登場すると祝福の拍手を浴び「論文でR-1に出ました」と笑わせ、2週間前にも沖縄に来ていたなど漫談を展開。「牧志にあったライブシアターが宜野湾に移動した」と独特の世界観で観客を引き付けた。

初恋クロマニヨン・わさび・ベンビー といった沖縄の人気芸人の出番が続く中、むぎ(猫)によるライブもあり。トークタイムには街裏ぴんくがR-1のトロフィーを披露し「優勝後はあいさつを交わす人が変わってきたかもしれない。妻はバイトを辞められます」など本音を語り、「夢はある!」と喜びいっぱいに宣言した。

わさび
わさび
むぎ(猫)
むぎ(猫)
ベンビー
ベンビー

今後も続く「Output LAUGH PROJECT」

初恋クロマニヨン
初恋クロマニヨン

フィナーレの会場は桜坂劇場ホールA。約300席の客席は埋まって大盛り上がり。沖縄芸人リップサービス・ハイペース・初恋クロマニヨン・ありんくりんの後は、関西出身の漫才コンビ・ヤング、茨城出身のコント師・虹の黄昏が登場。

終盤のヤーレンズは、入れ替わったばかりの虹の黄昏を「昔は地下芸人の帝王と言われていましたが、今は誰も支持していません」といじり、「歯医者に行く」漫才を披露。辺土名さん、米軍基地などの沖縄ワードも盛り込んだ。

街裏ぴんく
街裏ぴんく

街裏ぴんくはR-1チャンピオンとしての拍手喝采を再び浴び、「那覇空港でBEGINさんに会った」設定や「編曲家だった時代」の漫談を披露。

ラストを飾った令和ロマンは「裏社会で活躍できるか」をドラマ仕立てで演じ、細かい設定で拍手笑いを呼んだ。

令和ロマン

出演者が勢ぞろいしたエンディングトークでは感想を語る場面も。「打ち上げのことしか考えていません。開催中の漫才トーナメントTHE SECONDは絶対優勝します」(ヤング)、「桜坂劇場には初めて来ましたが楽しかったです。街裏ぴんくさんは急いで帰りましたが、球体になって転がっていきました」(ヤーレンズ)、「国際通りで強面のお兄さんに頼まれて記念写真に応じたら喜んで、M-1のテーマ曲を口ずさんでくれました。また沖縄に来ます」(令和ロマン)と語ると、沖縄芸人代表として、ありんくりん・クリスが「めったにないキャスティングなので再現しましょう!」と呼び掛け拍手が巻き起こった。

令和ロマン

最後は「LAUGH PROJECTは続いています。応援いただき、またサーキットかフェスなどイベントを開催できればと思います」と上江洲店長が締めくくり終演。

3会場を自由に出入りできるサーキットスタイルで、計6時間にわたって開催された本イベント。早々と完売したチケットを入手し来場した観客は、魅力的な出演者とパフォーマンスによるこのプレミアムイベントを楽しんだことだろう。次回開催が待ち遠しい。

饒波貴子 のは・たかこ

那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。