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新垣結衣もシスター日吉子役で参加 アニメ「きみの色」山田尚子監督に聞く 


新垣結衣もシスター日吉子役で参加 アニメ「きみの色」山田尚子監督に聞く  映画「きみの色」のポスターと並ぶ山田尚子監督=8月26日、那覇市久茂地(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 アニメ映画「きみの色」が8月30日から全国公開された。映画「けいおん!」や「聲の形」の監督を務めた山田尚子監督の完全オリジナル最新作となる。人が「色」で見える高校生トツ子と、きみ、ルイがバンド活動を通して心を通わせる様子を描いた。上海国際映画祭でアニメーション部門の最優秀作品賞を受賞するなど、海外でも評価されている本作について、山田監督に聞いた。 (聞き手 田吹遥子)

 ―高校生が主人公だ。

 「成長過程だけど、大人になる時が間近まで迫っている、かけがえのない時間に魅力を感じている。高校生や今から高校生になる人に見てもらえたらいい。この時期に見た作品は結構忘れられない。そんな一本になれるとうれしい」

 ―3人で音を合わせるシーンが印象的だった。

 「好きなものが共有できる人は心強い存在。彼女たちが大人になっても共有した時間は絶対忘れないだろうと思った」

 ―制作にあたって、キャラクターの尊厳を大事にしていると聞いた。

 「キャラクターの存在を否定しない。自分は審判でも神様でもない。自分個人の思いで、そのキャラクターの思いの良しあしを言うのは違うと思っている」

 ―完全オリジナルで難しかった部分は。

 「たくさんのスタッフの皆さんと作り上げていった。作品世界のイメージが共有できているか不安だったが、(イメージを共有する)“共通言語”を増やすようにした」

 ―県出身の俳優、新垣結衣がシスター日吉子の声を務めた。

 「新垣さんはすごく真面目でチャーミングな方だろうと思っていたので、日吉子像と重なった。芯の強さと弱さみたいな部分の両方を上手に表現していただけた」

 ―沖縄の人たちにメッセージを。

 「沖縄の若い学生さんたちにもバンドブームが来ていると聞いた。しろねこ堂(映画に登場するバンド)たちも皆さんの心の隙間に入り込めたらいい。皆さんに気に入ってもらえたら」

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 シネマQ、シネマライカム、ユナイテッド・シネマPARCO CITY浦添で上映中。