政治

辺野古関与取り消し訴訟 沖縄県敗訴 高裁那覇支部 国の行審法利用認定

県の訴え却下の判決を受け「納得できるものではない」と怒りをにじませる玉城デニー知事=23日、県庁

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り、県の埋め立て承認撤回を取り消した国土交通相の裁決の取り消しを求め、県が国を相手に7月に提起した「関与取り消し訴訟」で、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)は23日、県の訴えを却下した。国が私人として行政不服審査法を利用したことは違法だという県の主張について、判決では埋め立て承認は「国の機関と一般私人とを区別することなく同様に扱うことが予定されている」として、国交相の裁決は違法ではないと判断した。県は上告する方針。

 玉城デニー知事の就任以降、辺野古問題に関連する訴訟では初の判決となった。判決後の会見で玉城知事は「憲法が保障する地方自治の本質や改正地方自治法の趣旨が守られなければならないという主張をまったく取り合っていない。誠に残念としか言いようがない」と述べた。


大久保正道裁判長(代表撮影)

 判決は6月の係争処理委員会の判断をほとんど踏襲する内容となった。一般私人の権利・権益の救済を目的とした行政不服審査法を国が利用できるとする司法判断は今回が初めて。地方自治法では、地方自治体の判断に国が介入する「関与」に地方自治体が不服がある場合、関与の取り消しを求める訴訟を提起できるが、行審法による裁決は関与に該当しないとされている。

 判決では国が「固有の資格」で受けた行政処分に対しては行審法を利用できず、その場合の裁決は「国の関与」から除外されないとした。その上で、国が一般私人と同様に承認撤回処分を受けたことや、普天間飛行場の移設に伴う埋め立て事業を推進した内閣の一員である国交相による裁決だとしても「中立的判断者たる審査庁の立場を放棄していたということはできない」などとして、県の主張を全て退けた。

 県が8月に提起したもう一つの抗告訴訟の第1回口頭弁論は11月26日午後2時半から那覇地裁で開かれる。抗告訴訟では撤回を取り消した国の決定は違法だとして、国交相の裁決取り消しを求めており、関与取り消し訴訟と異なる争点を持つ。県側の弁護団は関与取り消し訴訟の判決が抗告訴訟に与える影響については言及を避けた。




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