完成まで一体いくらかかるの? 辺野古埋め立て1%で1471億円投入 沖縄県は2兆5500億円と試算


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
土砂投入が始まった翌日の昨年12月15日(上)と、今月13日の名護市辺野古の沿岸部(小型無人機から)

 政府が2018年12月に名護市辺野古の新基地建設に向けた土砂投入を始めて14日で1年がたった。これまでに投入された土砂量は埋め立て事業全体に必要な土砂の約1%にとどまる。今後、埋め立て予定地の大浦湾に広がる軟弱地盤を改良する必要もあり、工期と工費が膨らむのは必至だ。政府が県から埋め立て承認を得てから6年が経過するが、いまだ明確な工費や工期の見通しを示せていない。

 現在、比較的浅い辺野古沿岸部の二つの区画で土砂が投入されている。防衛省によると、昨年12月に開始した区画(約6・3ヘクタール)の埋め立ての進捗(しんちょく)は、11月末時点で7割、今年3月に着手した隣接区画(約33ヘクタール)は1割。より深い大浦湾が残されており、埋め立て区域全体の総量(約2千万立方メートル)から単純計算すると1%程度だ。

 沖縄防衛局によると、移設事業に投じた予算は既に約1471億円に上る。政府が14年に「少なくとも」(当時の小野寺五典防衛相)として示した3500億円と比べると、既に約4割を使っている。県は、地盤改良工事を含めた総工費について県外の埋め立て工事や地盤改良の事例を基に2兆5500億円と試算している。

 防衛省は19年9月に軟弱地盤の地盤改良工事に関し有識者を集めて「技術検討会」を発足させた。今後、検討会での議論を進め、年明け以降、改良工事を盛り込んだ設計への変更を県に申請する見通し。