秋田県秋田市に配備されるはずだった「イージス・アショア」は計画が見直されようとしている。12月12日の琉球新報によれば、「住宅地に隣接していることや、防衛省の調査ミスへの反発を受け、計画変更の検討を迫られた格好だ」という。記事はこうつづく。「沖縄で地元の根強い反発があっても米軍基地建設を押し通す姿勢とは対照的で、二重基準ともいえる反応の落差が際立つ」と。
参院秋田選挙区で、野党統一候補が勝ったことも大きかったに違いない。そのことによって、「イージス・アショア」を配備するのは反対だと地元の民意が示された格好だ。
では沖縄はどうだ? 昨年9月の知事選、今年の2月の県民投票、4月の衆院補選、7月の参院選と、はっきりと辺野古新基地建設反対の民意は示されている。
あたしは腹が立つ。これは沖縄に対しての差別ではないのか? 誰一人として軽く扱われる国民がいてはいけないのだ。
政府が辺野古の新基地建設に向けた土砂を投入し始めて、14日で1年になった。報道によれば、これまでに投入した土砂量は、埋め立てに必要な土砂のわずか1%だそうだ。しかも、埋め立てをした1%の場所は浅く、楽に工事を進められる場所だったという。
ということは、辺野古の新基地を作るには、少なくともあと100年はかかるんじゃないか。そのとき、民意を無視し、自然を破壊し、無駄に税金を使った政治家は責任を取れるのか? 責任を取れるわけもなく、だからこその強行とも思える。
そしてそれより酷(ひど)いのは、米海兵隊は普天間飛行場を2028年度まで継続して使用すると「2019米海兵隊航空計画」に書かれてあったこと。2年前、普天間第二小学校に米軍のヘリコプターの窓が落ちた恐怖を、忘れない。
沖縄の子どもたちを、沖縄の誇りを守ろう。あたしは来年も、そのために戦うつもりだ。それこそが、われわれ一人一人の権利を守ることにつながるから。
(室井佑月、作家)