極限状態で人間は他人を思いやれるのか… 映画「島守の塔」制作に向け会結成 経済界から47人 沖縄戦当時、知事と警察部長だった男性の姿描く


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映画「島守の塔」製作を応援する会沖縄の結成式で、作品への思いを語る五十嵐匠監督=22日、沖縄ハーバービューホテル

 沖縄戦当時、食糧確保や疎開に尽力したとされる島田叡沖縄県知事と荒井退造県警察部長の姿を描く映画「島守の塔」(五十嵐匠監督)の制作に向けて、「映画『島守の塔』製作を応援する会沖縄」が22日結成された。同日時点で経済界や有識者など47人が呼び掛け人となり、同日、那覇市のホテルで結成式と説明会が開かれた。会の共同代表に元副知事の嘉数昇明さん、県野球連盟会長の又吉民人さんの就任が決まった。

 映画の制作委員長も務める嘉数共同代表は「戦後75年の節目に、(映画を通して)多くの国民に沖縄戦を生き抜いた方、亡くなった方々の姿をもう一度振り返ってもらうことが大切だと思う。劇場だけではなくて公民館や学校などでも上映し、若い方々に見ていただけるような取り組みもしていきたい」と語った。

 五十嵐監督は「島田さん、荒井さんの偉人伝を作るつもりは全くない」とした上で、「鉄の暴風の中、極限状態の沖縄戦で、人間は他人を思うことができるのかというところがテーマだ」と制作に向けた決意を語った。

 また、シナリオを作成する過程で、ひめゆり平和祈念資料館を訪れたことに触れ、若い世代に向けた映画を作る考えを示した。


 「映画『島守の塔』製作を応援する会沖縄」呼び掛け人は次の通り。(敬称略)

 【応援する会顧問】稲嶺恵一(元沖縄県知事)、新垣雄久(元副知事)、石川秀雄(元副知事)、牧野浩隆(元副知事)

 【共同代表】嘉数昇明(島田叡氏事跡顕彰期成会会長、映画「島守の塔」製作委員会委員長)、又吉民人(県野球連盟会長)

 【呼び掛け人】比嘉良雄(元名桜大学理事長、元沖縄都市モノレール代表取締役社長)、嘉手苅義男(オリオンビール取締役会長)、金城克也(りゅうせき代表取締役会長、県経営者協会会長)、呉屋守将(金秀グループ会長)、平良朝敬(かりゆしオーナー会長)、玉城義昭(沖縄銀行代表取締役会長)、富田詢一(琉球新報社代表取締役会長)、豊平良孝(沖縄タイムス社代表取締役会長)、新垣幸子(元県出納長)、照屋寛孝(県退職公務員連盟会長)、上地英由(沖縄海邦銀行頭取)、宮里博史(明治大学校友会沖縄支部長、荒井退造氏母校)、金城棟啓(琉球銀行会長)、山城博美(琉球海運会長)、上間義正(コザ信用金庫会長)、迫幸治(沖縄・全国ふるさと会会長、全保連代表取締役)、鈴木静夫(在沖縄栃木県人会栃の葉会会長、鈴木税理士事務所税理士)、高良圭(在沖縄兵庫県人会会長、神戸製鋼沖縄支店支店長)、森本浩平(ジュンク堂書店那覇店店長)、比嘉正輝(リウボウグループ代表)、渕辺美紀(JCC代表取締役会長、沖縄経済同友会代表幹事)、奥キヌ子(レキオファーマ代表取締役社長)、幸喜徳子(沖縄石油ガス代表取締役会長)、末吉康敏(琉球イオン取締役会長)、上間優(大同火災海上保険代表取締役会長)、湧川昌秀(沖縄県社会福祉協議会会長)、仲田龍男(オキコ会長)、西村聰(琉球セメント代表取締役会長)、平田久雄(沖縄・台湾交流振興会会長、ディー・ランド代表取締役社長)、宮里好一(タピック代表)、神谷孝(元県高野連会長)、名嘉山興武(島田叡氏事跡顕彰期成会副会長兼事務局長)、中村一彦(琉球放送代表取締役社長)、久保田憲二(沖縄テレビ放送代表取締役社長)、上原直樹(琉球朝日放送代表取締役社長)、森田明(ラジオ沖縄代表取締役社長)、長濱弘真(エフエム沖縄代表取締役社長)、久保田照子(久保田照子チャームスクール)、新城英一(大成通運代表取締役社長)、新城伸子(国際ソロプチミスト沖縄会長)、松本謙(株式会社ファーマーズ・フォレスト代表取締役社長)