石灰岩採掘場から遺骨 沖縄戦の犠牲者か 糸満・魂魄の塔近く 辺野古の土砂調達を危ぐ


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岩の下から遺骨を掘り出し、黄色い布の上に集める沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さん(左)ら=1日、糸満市米須

 糸満市米須の「魂魄の塔」近くにある石灰岩の採掘現場の斜面で1日、沖縄戦の時のものとみられる遺骨が新たに見つかった。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんらが見つけた。具志堅さんは、国が辺野古新基地建設の埋め立てに使う土砂や岩ズリを本島南部から調達することに反対しており「危惧していたことが起きた。遺骨が土砂に混じっていたら分からないだろう」と懸念を強めた。近く沖縄防衛局に要請を行う。

 糸満市米須一帯は、沖縄戦で軍民混在の激戦地となった。戦後、散在していた遺骨を旧真和志村の村民らが収集し、魂魄の塔を建てた。1日に遺骨が見つかったのは、魂魄の塔近くの斜面で「東京の塔」の裏にある場所。斜面の頂上付近の大きな岩の下から大腿(だいたい)骨の一部や歯が2本ついた下あごの骨を発見した。近くからは、別の人のものとみられる歯や手の骨も見つかった。米軍の爆弾の破片や、さびたのこぎり、一升瓶のかけらもあった。ガマフヤーのメンバーは9月末から収集活動を始めた。

 鉱業法を所管する沖縄総合事務局環境資源課によると、遺骨が見つかった斜面の土地は、今年9月に鉱業権に基づき業者からの施業案を認可した。石灰岩の採掘を予定しているという。

 沖縄防衛局が今年4月に県に提出した辺野古新基地建設の設計変更承認申請には、本島南部から大量の土砂や岩ズリの調達が追加された。具志堅さんは「沖縄防衛局には、本島南部の土砂には沖縄戦で亡くなった人たちの遺骨が埋まっているという認識が薄いのではないか」と疑問を呈する。防衛局に対し、現場の確認を要請することにしている。